2009年06月22日

Webは進化したのか?

 書道の話で恐縮ですが、河合克敏という漫画家さんの描いた、『とめはねっ! 』という書道漫画がドラマになるそうです。
 河合克敏さんは、柔道漫画『帯ギュ! 』以来のファンですが、ドラマになるのは初めてですね。原作が良い出来なだけに、どうなるのか楽しみです。
 それとは別に、漫画原作のドラマが多いのは、脚本家の能力不足が顕著になってきたということでしょう。原作が無ければドラマも作れない、現状の貧困さにびっくりです。脚本家志望の方々の奮起を願っています。

 さて、本題。
 Web2.0や、ロングテール理論などを紹介した『ウェブ進化論』という本がありました。2006年初頭くらいでしょうか。Amazon.co.jpから幾ら貰ってるんだ!? と思わせるに十分だった著者の梅田望夫氏が、ITMediaにインタビューを寄せていました。

 日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く
 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/01/news045.html

 てかさー、自分の思い通りにならないからって愚痴言うのは、コンサルタントのすることじゃないでしょ。





 Amazon.co.jpが、「1,500円以上(だったよね? )のお買いあげは送料無料、一部地域を除き翌日配送」をうたって数年。国内書店を軒並み淘汰していったのが、丁度この梅田先生の本が出た時期でしたね。
 携帯電話も普及して、Internetが一般化していき、ネット通販に抵抗が無くなってきた時期でもありました。

 んで、書店業界が焼け野原になって、丸善もジュンク堂も大日本印刷の子会社になり、同列にBOOK OFFまで入り込んだりして、もう何がやりたいのかさっぱりな状態になってみれば、Amazon.co.jpでは翌日配送を止めてしまって、翌日に本が欲しければもっと金を払えと言っている。
 これは、顧客側が悪かった実例ですよね。
 売る側の問題としては、再販制度に縛られて良しとしていた点。再販制度を止めてしまい、日本全国津々浦々同じ値段で同じ情報が手にはいると思ったら大間違いだ! と主張すべきだった。なぜなら、日本人は情報に金銭的価値を見出していないから。

 そんなAmazon.co.jpに踊らされてた梅田先生ですが、今回のインタビューでは、「オレは大人だもん、餓鬼っぽい君らとは違うんだもんね(超訳)」と主張されています。真偽も含め、詳しくは、冒頭のリンク先を読んで下さい。
 現在の日本のネット事情が、梅田先生の思惑通りにならなかったのは、一つには日本では携帯電話の普及が、ネット利用を後押ししたからですね。以前私のBlogでも取り上げたけれど、情報共有空間が一般化する過程に於いて、どうしてもカジュワル化する方向性というのは有って、梅田先生は日本の携帯電話という側面を見逃しただけじゃんという見方も有ると思うんですよ。

 カジュワル化という概念
 http://azumatch.seesaa.net/article/8331959.html

 で、知識の水平化が起こっている日本では、当然の如く情報の取捨選択も無いまま拡散が続き、それを受け取る側の情報の選別教育もされないまま、単純な情報の劣化が起こり続けてきたと見ているのは、梅田先生と私の共通認識なのかなーと思ったり。
 同時に、英語圏のInternet空間というのは、結局梅田先生からすれば、米欧のInternet空間のことですよね。あっちでは、貧困層がInternetにアクセスする量が圧倒的に少ないという、社会層の構造を全く無視してその発言ですか!? というのが不満です。
 てか、日本は未だに恵まれていて、一億総中流の幻想に立脚した一億総下流時代を迎えているけれど、携帯電話やテレビという情報ツールに至っては、普通に生活保護受給者だろうがなんだろうが持って居るんですよね。最下層の人だって、持とうと思えば持てる。米欧ではどうなんですか? 梅田先生。

 結局そこをすっ飛ばしたり、マスクしたりして、日本と米欧のネット環境の差をうだうだ言うのは、「フェアではない」と思うし、そこが思い違いの出発点なんじゃないだろうか。
 インタビュー中に、「英語圏の空間というのは、学術論文が全部あるというところも含めて、知に関する最高峰の人たちが知をオープン化しているという現実もある」と言っているけれど、それは階層化された社会で、Internetを利用する知識人層が確立している米欧と、階層化が見えにくい社会で、Internetを誰でも使える状況が確立している日本の違いでしょ?

 だから、「事実認識が間違っている」と言われるんだと思うよ。

 そこを逃げちゃ、ちゃんとしたWeb論にならないのに、逃げるところが卑怯だよね。そこは、『ウェブ進化論』から綿々と梅田先生が逃げ続けている部分でも有ると思うし。
 今更「あれはエッセイだった」と逃げを打つ姿勢を見て、非常に失望したし、その程度の人に踊らされていた人々の死屍累々を眺めつつ、うんざりしている私がここにいます。

 「Web2.0! 」と叫び続け、無理難題をほぼ無料で達成しろと言っていた、某大学のシステム担当者は元気かなぁ。
 「Web2.0ってのが有りましてね」と、他人を馬鹿にするように売り込みの電話を掛けてきていた某S○ftbank系列の代理店は元気かなぁ。

 少なくとも、あの時から技術は進歩したけれど、Web空間は進歩していないと思ってます。逆に停滞しているし、今は水平化した情報空間を食い潰す作業が、黙々と行われている日々なんじゃないかなーと。そういうところからも、今のネットを混乱させた一因が、梅田先生に有ると、私は思っています。

posted by あずまっち at 07:28| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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